イリオモテ島旅日記

使用艇
西表1周、仲間川、浦内川遡行:グラブナーホリディM

旅日記(作成中)
1日目:石垣島
2日目:西表島(大原〜仲間川源流)
3日目:西表島(〜南風見田)
4日目:西表島(〜大浜)
5日目:西表島(〜網取湾)
6日目:西表島(〜浦内川)
7日目:西表島(〜赤離島付近)
8日目:西表島(〜由布島)
9日目:西表島(〜大原)


はじめに…

日本の中でどうしても行きたい場所があった。
亜熱帯の木々に覆われ、その大部分が未だ人跡未踏のジャングルの島。
秘境、西表島

沖縄本島の遥か南、日本本土より台湾がすぐ隣の八重山諸島。西表島以外にも、石垣島や、黒島、小浜島、鳩間島、竹富島、そして、最南端波照間島、最西端与那国島、エメラルドグリーンの珊瑚礁の海に浮かぶ緑の島々はどこも魅力的だ。

中でも西表島は、沖縄本土についで2番めに大きい島で、島の周囲は75km。島の90%が亜熱帯のジャングルに覆われ、その大部分が人跡未踏の秘境だ。島を取り囲む珊瑚礁の美しい海。マングローブが生い茂る川たち。そんな西表島の海や川を思いっきり満喫しよう!

修繕が必要なK1EXP(フェザークラフト社のフォールディング・カヤック)をあきらめて、ゴムカヌーのグラブナーホリディMをパッキングし、イリオモテ島へ向かった。当初の予定では、マングローブの川を溯ったり、珊瑚礁の中でシュノーケリングをしたり、内湾の中でのんびり遊べればいいな、そんな気持ちでゴムカヌーを持ち込んだのだが、行ってすぐに後悔した。

イリオモテ島の中でも、特に惹きつけられた場所がある。イリオモテ島の南西部、人が住んでいない無人地帯だ。島の半周を道路が通りているが、南西部には、定住している人はいない。(何人かの世捨て人はいるらしいが) その西表島の南西部が、僕を呼ぶのである。こっちは楽しいよ。誰もいないぜ。おまえの望んでいた世界だよって…なぜ、やってこないんだい?

八重山諸島は、梅雨前線に捕まり、毎日強い風が南東から吹き荒れていた。
巨大なうねりの中で転覆すれば、かなり危険な状況に陥ってしまう。

荷物満載のゴムカヌーをみつめ、ため息をついた。
これじゃあ…、でもせっかくだから、ほんのちょっと味見してみよう。駄目なら引き替えせばいいさ。

僕は、船出した。そう、たった独りで、人の誰もいないフィールドへ。

気付くと、荒れる海を乗り切り、時計回りに一周して、出発した大原の港に帰ってきてしまった。
まさに、夢のような黄金の日々。当初頭に思い描いていた、奇麗な海で、水着の美女といっしょに波と戯れ、のんびり遊ぶという計画とは、180度違った旅になってしまったけど、後悔するはずがない。こんなに力一杯の濃い旅ができたのだから。

久々のソロ(単独行)。会心の旅。西表の大自然。不思議動植物達。西表に見せられた魅力的な人たちとの出会いと別れ。西表島は僕の期待を裏切らず、200%の楽しさをプレゼントしてくれたワンダーランドでした。少々長いですが、最後まで読んでくださると嬉しいです。