群馬県 | 2011.07.15・16 | 単独 | マイカー・バス | 地図 三平峠・至仏山(日光) |
皿伏山 三等三角点 中原山 三等三角点 |
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1日目 | 戸倉==バス==鳩待峠(7.40)−−−山の鼻(8.25-8.30)−−−東電小屋分岐(9.10-9.20)−−−竜宮小屋(9.50-10.00)−−−見晴(10.50)−−−白砂峠(11.20-1125)−−−尾瀬沼尻(11.50)−−−尾瀬沼山荘(1240-13.10)・・・このあと浅湖湿原と大江湿原散策1時間30分 |
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2日目 | 尾瀬沼山(6.10)−−−分岐(6.30)−−−大清水平(6.45)−−−皿伏山(7.25-7.30)−−−せん沢田代−−−白尾山(8.35-8.45)−−−電波塔(9.00)−−−富士見小屋(9.15-9.30)−−−アヤメ平(9.50)−−−中原山三角点(10.00)−−−鳩待峠(11.00)==バス==戸倉 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
≪1日目≫ 戸倉から大型乗合タクシーで鳩待峠へ。2年ぶりの尾瀬ケ原だ。 尾瀬ケ原はあらためて書く必要もなく、今や観光目当ての人々で賑わうようになっている。鳩待峠から山の鼻まで高低差300メートルほどを下るコースは、ほとんど土を踏まず敷設された木道歩き。言ってみれば舗装道路を歩くのと一緒、スニーカー、スカートで用が足りてしまう。
あっという間に山の鼻、それからも原の中を木道を伝って行く。昔は丸太半割のような粗末なものだったのが嘘のように立派な木道だ。 それにしてもこの原の変わりようには驚く。大小の鏡片をばらまいたかのように、無数に点在していた池塘は無いというに等しいほどの激減ぶり、いったいどうなってしまったのだろうか。季節のせい?、尾瀬は残雪期から晩秋まで幾度となく訪れているがこんなことはなかった気がする。 “夏の思い出”に歌われいる池塘、≪♪揺れ 揺れる 浮島よ≫の浮島も、木道から見る限り一つとしてそれを目にすることがなかった。 あの美しい尾瀬ケ原の寿命が尽きたとでもいうのだろうか。 50年前と比較するのは酷だが、いまやその片鱗も見いだせない。 それでも気を取り直して池塘越しに見える至仏山をスケッチしたり、花々をカメラにおさめたりしてのんびり気分で原を縦断していく。行き交うハイカーの数も多い。明日から3連休、尾瀬ケ原はさぞかし混雑することだろう。 青草ばかりが目立って花も少ない気がするし、葦の侵入も見られる。
三平峠下の尾瀬沼山荘へ宿泊手続きをしてから、浅湖湿原、大江湿原を散策。二つの湿原はニッコウキスゲとワタスゲの群落、その中にヒオウギアヤメの青紫が負けじと競い咲いている。 沼の先に聳え立つ燧ケ岳をスケッチしたりしてから山荘へ帰って宿泊。 山荘は旅館のような造り、風呂もあるし部屋は窓のサッシの内側に障子、壁は日本間らしい壁紙、寝具のカバー類はクリーニングしたばかりのように糊が効いている。トイレはもちろん水洗。10何年前に竜宮の小屋へ泊まったことがあるが、尾瀬はみんなこのように変わっているのだろうか。 ≪2日目≫ 6時からの朝食を急いでかっこみ、山荘を出発。今日は目的の皿伏山登頂である。 皿伏山だけなら一泊する必要もなかったが、久しぶりに沼と原とを結ぶ思い出の道も歩いてみたかったし、もう一度じっくりと尾瀬ケ原の今をこの目で見てみたかった。 20分ほどで大清水湿原への分岐、沼の向こうに燧の姿が美しい。勾配のある山道へ入る。 シラビソ(?)、ダケカンバなど原生林の雰囲気に満たれている。歩く人は少ないと思っていたが、道は明瞭で道標やテープ類も多い。広い樹林の中は灌木類も少ないので、どこでも歩けてしまう。気を許すとルートを外すおそれもある。それなりにコースを外れないよう多少の気づかいは要る。 あっという間に開けた小さな湿原が二つほどつづく、ここが大清水平の湿原だ。目につく花はワタスゲやヒオウギアヤメ、量も多くはない。
大清水平湿原の先から山登りらしくなって汗が滴り落ちる。道標を追うようにして高度を稼いでいくと、山頂という感じにはほど遠い雰囲気の中、皿伏山の標柱が立っていた。樹林に囲まれて展望は皆無、持参した群馬百名山達成のパネルを持って記念撮影。 年初、群馬百名山の残りは20座あったが、この皿伏山で全山登頂となった。 この先は白尾山から富士見峠、アヤメ平、中原山を経由して鳩待峠がゴール。 皿伏山から100数十メートルを急降下、白尾山らしい山容がかなり遠くに見える。 セン沢田代がコル、白尾山へはここから250メートルの登り返しだ。標高が2000メートル近いとはいえかなりの暑さだ。汗の量も多い。皿伏山から1時間以上かけて白尾山へ到着。ここはピークらしい感じがある。(三角点があったような気がして、山頂標識背後の小高いところを、背丈以上の密笹をかき分けて探したが見つからない。帰宅してから調べると、ここには三角点はなかった) 白尾山からは樹林帯を抜け出て、大きく広がった空を仰いでの下り坂、軽快に足が進む。15分で東電の電波塔、そこから先は林道が富士見峠、富士見小屋へと延びている。 富士見小屋で一服する。 ここから鳩待峠までは、10数年前の6月下旬、まだ残雪のあるころ歩いたことのあるコースだ。 富士見小屋からひと登りするとアヤメ平、あのとき目に焼き付けたのと同じ景色だ。燧ケ岳がこれほど美しく見える場所は他には知らない。原には少なくなってしまった池塘がここには健在、青空と夏雲を映しこんで水面が輝いている。
厳しい規制もないままに登山者によって踏み荒らされ、変り果てたアヤメ平湿原を、関係者やボランティアが復元活動に精だしていたのを目にしている。その結果もこの目で見たかった。 完全とは言えないまでも木道が整備され、湿原の植物たちもかなり復元していた。原では味わえなくなった尾瀬を、ここでは何とか体験できるのがうれしい。さらに元の姿へと戻る日を願いながらアヤメ平を後にする。 この先も点在する湿原を楽しみ、中原山の三角点を通過すると、次は至仏山、笠ケ岳が見えてくる。遠く残雪の山は会津駒ケ岳、さらに巻機山から越後三山だろうか。 至仏の姿に見入りつつ、やがて木道は森林へと入っていく。多くのハイカーに出あうが、ここではさすがに観光客スタイルはいない。3連休初日、原の木道は人であふれていることだろう。 皿伏山の山頂を踏み、今昔の尾瀬を比べ見る登山を終わって鳩待峠へ降り立った。
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