伊那谷 源四山=げんしやま(1290m)

2006年度のテーマは『伊那谷の山』です。1月に8座、今回3月は下記の12座を登ってきました。対象の山は国地院二万五千図を参照にして選定。等級を問わず三角点の表示があり、かつ地図から推測するとピークを有して存在感がありそうな山、それと三角点はなくても山の名前が記載されて一般に認知されていると思われる山を選びました。地域は伊那谷南部の平谷村・売木村・阿南町です。

長者峰 高嶺 東方子 桐山 源四山 梨木山 千本立 桐ノ木山 高畑山 岩倉山 鎌根山 大津山
長野県 2006.03.25 単独 マイカー 源四山 三等三角点 地図 平谷南西
コース 三岳平谷牧場車道途中(12.00)−−−牧柵扉跡(12.15)−−−尾根上(12.30)−−−源四山付近(12.55)−−−牧柵跡(13.30)−−−駐車場所(13.40)
源四山山頂付近と思われる密薮帯と遠く南アルプス

山頂部は猛烈な笹の密薮。そのひどさは半端ではなかった。

153号線平谷信号を売木方面へ。2.5キロほどで右手三岳平谷牧場方面へ入る。途中売木への道を左に見送ってさらに進むと右手に牧舎への道が分かれる。牧舎の人に源四山への登山道を尋ねてみたがはっきり教えてもらえなかった。山頂まで牧場になっているという話しに、それなら牧場の中を適当に辿れば簡単に山頂へ立てると早合点してしまった。

元の道へ戻りしばらく車を進めて路肩に駐車、あとは歩きながら山頂へのルートを探すことにする。
車道沿いには牧草地はなく、樹木や笹の茂った斜面がつづき、取り付く場所が見つからない。探しながら20分ほど歩いたころ左手に牧場が現れた。しかし源四山は右手方向、そっちには牧場はなく、ねずみ色の使われなくなった鉄製の柵や扉、屋根がけの建物があり、車道跡らしいものが目についた。ここを辿って見ることにした。

ちょろちょろと水の流れる道の両側は密生した笹薮、日蔭に残る雪を踏んだりして15分ほどで尾根上に出た。展望が開けて南ア南部の銀嶺から南ア深南部の山々、それに大川入山、蛇峠山などが見渡せる。
尾根をしばらく進むと柵囲いされた牧畜施設の跡がある。気楽に歩けたのはここまでだった。ところで「山頂まで牧場」と言っていたのは何だっのか。柵囲いがあるということは、以前ここが牧場であったのにまちがいはない。この先からは手に負えないような猛烈な笹薮と化している。
笹の下に隠れている昔の踏跡を足探りで進みはじめたが、背丈を越す笹に視界は遮られ進む方向もわからない。しばらく密薮と戦い、もがくようにして先の高みを目ざしてみた。地形は丘状をしていて目立つピークというものはない。にっちもさっちも行かなくなってきた。靴紐が解けてしまったがしゃがんで直す隙間も作れないほどの密薮だ。

少し方向を変えてみると、何かが足にひっかかった。見ると有刺鉄線だ。以前はここが牧場になっていた証だ。つまり「山頂まで牧場」というのは昔のことだったのだ。それにしてもこれほどひどい笹薮は、佐武流山で敗退したとき以上のものだ。
こんなだだっ広い密薮の中で三角点を探すなど到底不可能、山頂を形成する密薮丘陵地形に立ったことで良しとするほかはなかった。あるいは三角点へ達するルートがあるのだろうか。
密薮から首が出せる地点があり、そこから南アルプスと思われる山嶺がわずかに稜線部を見せてくれた。
方角を間違わないように、密薮を慎重に柵囲いまで戻った。

海の底を這うような密薮漕ぎは30分か40分くらいのものだったが、1時間以上、2時間も漕いでいたような気がする。その上疲労もまた強かった。
 
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