伊那谷 梨木山=なしきさん(1318m)

2006年度のテーマは『伊那谷の山』です。1月に8座、今回3月は下記の12座を登ってきました。対象の山は国地院二万五千図を参照にして選定。等級を問わず三角点の表示があり、かつ地図から推測するとピークを有して存在感がありそうな山、それと三角点はなくても山の名前が記載されて一般に認知されていると思われる山を選びました。地域は伊那谷南部の平谷村・売木村・阿南町です。

長者峰 高嶺 東方子 桐山 源四山 梨木山 千本立 桐ノ木山 高畑山 岩倉山 鎌根山 大津山
長野県 2006.03.25 単独 マイカー 梨木山 三等三角点 地図 平谷南西
コース 国道418号線平谷峠(14.05)−−−梨木山(15.05-10)−−−平谷峠(15.40)
笹薮の中から探し出した三等三角点

国地院二万五千図には三角点記号と標高1318.3mというピークが載ってるが、山名は記されていない。正確には何という山かわからないが、三角点の点名が『梨木』となっているので『梨木山』と勝手に名づけさせてもらった。

国道418号線平谷峠に駐車。地図を見るとここから南に延びる林道があって、この林道は梨木山への尾根に寄り添うように走っている。ところが林道はすぐに崩壊寸断状態で廃道となっている。


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平谷峠展望台から南へ延びる林道へ入る。間もなく崩落で道型は跡形もなく消失。ざれ斜面の踏跡をたどったりしているうちに、また林道の形がはっきりしてきたものの、すでに枯れ草に覆われたままだ。この先も復元は不可能だろう。
左手奥に梨木山と見られるピークが見えてくるころ、道は二又に分かれる。うっかりして地図を忘れてきたのに気づく。どっちへ進むべきか迷う。右手の道から尾根筋へ乗るのが無難と判断する。左手へ延びている水平道を見送り、右手ダートの道へ足を向けるとすぐに舗装道へつながった。平谷峠西側から南へ延びている林道かもしれない。舗装道を取らずに左ダートを進むとすぐに終点行き止まりとなって、ここから尾根へ取り付いた。

尾根は比較的はっきりしていて安心する。地図がないので三角点の位置が不明確、尾根をたどれば多分大丈夫だろう。笹薮が濃くなり歩きにくくなってきた。「調査」と書かれた赤テープが村界尾根に点々とつづき、笹の刈り払いがごく最近行われたようだ。刈り払われたとはいうものの、かなり雑なもので、根株は30センチほど切り口鋭く残されていて気を抜いて歩くとケガをしかねない。
小さなピークまで来たところで刈り払いは終ってしまった。三角点を探してみたが見つからない。まだ先にピークがありそうだ。あとは笹薮漕ぎとなる。尾根は比較的広くて帰りのことを少し心配しながら下って行くとコルで林道へ接していた。先ほどの二又で左の水平道を取ればここへ通じていたものと推測される。

地図がないので三角点がどこかわからない。林道を歩くと三角点を探せない可能性もある。水平の林道を見送ってすぐに尾根目がけて登って行く。ここからの尾根は笹薮に悩まされた。ルートの心配もあるし、進行は遅々として捗らない。思い出したように目に付く村界杭に安堵しながら、少し強くなってきた勾配を登り詰めると小広いピークとなり、桧の木が10本ほど立っている。樹間を透かしてもこの先にははっきりとしたピークは見えない。ここが梨木山なら三角点があるはず。だが小空間にはそれらしいものは見当たらない。コースを間違えたか?、がっかりして周囲の笹薮を探していると、測量用の赤白ポールが目に付いた。そばに倒れた笹の下敷きになっている三角点標石があった。せめて小広場をもう一回り大きく刈り払ってくれていたらすぐにわかったのに。
考えていたよりかなり時間はかかってしまったが、それでも名もない山の三角点へ登りついた満足感に浸ることができた。この先も訪れる登山者はめったにあらわれないことだろう。

帰りは三角点を探す必要もないのでコルの林道へ降り、あとは林道をそのまま平谷峠へと戻った。往きは1時間を要したが、帰りは30分で戻ることができた。
朝から長者峰・高嶺、東方子・桐山、源四山、梨木山と登り、加えてしんどかった笹薮漕ぎなどもあり疲労を感じる。この夜は平谷道の駅で車中泊、ゆっくりと温泉へ入り、広間で手足を伸ばして2時間ほどくつろぐと、ようやく疲れも引いていった。
 
 
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