THEヒロミと茶番/ at 武道館 2002.2.11
ユネスコ加盟50周年記念 スーパー・チャリティ・ライブ

 2曲しか演奏しないから、安くはないチケットを買うことに抵抗がなかったわけではない。でもそれ以上に、ライブにはほとんど行けない自分に奮発してあげたいのと、こういう記念すべき日くらいは押さえておきたいって気持ちの方が大きかった。たとえそれが「ザ・茶番」としてではなくても、やはり武道館という大きなステージに初めて立つ彼らの雄姿を見てみたかった。それにこれは「ユネスコ加盟50周年記念 スーパー・チャリティ・ライブ」。収益は全てアフガニスタン他の難民救済の為に有効に使われるのです。私がザ・茶番のファンであることで何かに貢献できたってコトは、素直に嬉しい。ちゃんと募金もしたよ!

 3時すぎに武道館に着いて、チケットが手元に届くのを待っていたら、中ではリハをやっているらしくどこかで聞いたことのあるイントロが…それは『ビンテージ』。『イッテコイノチャラ』をするのは前日のライブでオミくんから聞いていたけれど、「もう1曲は何かなぁ〜」ってみんなで言っていたのだ(1グループにつき2曲の演奏と決まっていたのです)。そっかぁ、『ビンテージ』かぁ!ちょい年配の人にも受けそうな曲だし、やっぱり会場でCD売ったら良かったのにねぇ、などと言いながら開演の時間を待つ。

 この日は私を含めて4人で見に行った。そのうちの1人は5時まで仕事があったので、仕事を定時ダッシュして友達と2人で途中から合流することになっていた。私ともう1人は先に中に入り、彼女達の到着を待つ。ひたすら、待つ。ほとんど知らない年配のミュージシャン達が演奏している中、眠い目を擦りながら、ひたすら待つ(ちなみに開演は6時)。途中「九段下駅に8時7分に到着予定」とメールが入ったのはいいんだけれど、この日は参加ミュージシャンが多いために、逆に巻きにまいて進められ、茶番の出番は8:30頃のはずが、すでに8時ちょい前の時点で「これはもしかして間に合わないかも!?」ってイヤ〜な汗が出てくる状態になっていた。一緒にいた友人が会場の入り口でチケットを持って待機し、私は彼女達が間に合ってくることを1人席に座ってただただ祈っていた。岩城滉一のバンドが直前に演奏していたのだけれど、その間私はず〜〜〜っと後ろの入り口を見守っていた。周りのおばさま方は岩城滉一のギターに見とれていたようだが、そんなバアイじゃない!しかし無情にも演奏は終わり、岩城滉一とヒロミのMCが始まった…。

 私はほとんどここらへんの記憶がないのですが(頭の中は真っ白でした)、どうやらこんなコトをMCで話していた模様です。

岩城「次はヒロミのバンドです。ヒロミと茶番!」
ヒロミ「どうもヒロミです…」
岩城「しゃべる仕事の時きはいいんだけど、バンドになるとどうしても無口になるんで(笑)今日はどうしても思い出作りをしたいっていうんでね、この後歌うそうですから」
ヒロミ「誘われて二つ返事で来ちゃいました、その代わり募金っていうかカツアゲのように取られましたけれど」(と数十秒ほど続く)
岩城「(後ろでスタンバッているメンバーに)用意できましたか?」
ヒロミ「もうちょいですね」

すでに半べそ状態の私。やだぁぁ〜お願いだから、もうちょっとつないでぇ〜 (><)

岩城「俺ね、さっきね、ず〜っと見てたらいっつもタオル巻いてるから、お前頭はげてんのかって聞いたんだよ、したらそうじゃないって」
ヒロミ「それでホントにはげてたらシャレになりませんからあんまり聞かないように」
オミ「ありますよ!大丈夫です!(笑)」
岩城「え〜じゃあそろそろ大丈夫ですか?」

 うっそ、もうダメ始まる!!と思った瞬間、「間に合ったぁ!」の声。3人がすごい息を弾ませて走ってきた。「うっそぉ〜〜!すごい!!」という私の大声がしっかり残っております…。ものすごいタイミングに鳥肌が立ってしまった!だって間に合わなかったら、1人で座って聞いてるの申し訳ないし、楽しめないもの。本当にどうしようかと焦った。でもこんなハプニングのおかげで、かえって弾けて楽しめたのです(^^)

 オミくんの「ちょっとだけ、騒がさせていただきます!」で始まった『イッテコイノチャラ』。この曲をリハでやったかどうかは知らないんだけど、とりあえずヒロミさんはしっかりつまずいていました(笑)ソロのところでかなり口がまわらず…まっ愛嬌、愛嬌!きっと久しぶりなんだろうし、なんたってテンポ速いしね、この曲。広いステージの上でオミくんはいつものように全く臆することなく飛び跳ね踊りまくり、ヒロミさんはとってもとっても遠慮がちに歌ってました。って言うか、むちゃくちゃ緊張してるのが伝わってきた。

 続けて『ビンテージ』。考えてみたら、私がヒロミさんの『ビンテージ』を聞くのはKのサンデー以来。私はヒロミさんが参加している『ビンテージ』が好きなので、この選曲は嬉しい(^^)こちらは音をはずすこともなく、堂々と歌い上げてらっしゃって。

 愛する人を信じて生きる
 それでいいじゃねぇか人はよ

 何回聞いても胸に熱くなる。私がザ・茶番を知ったきっかけであるこの曲を、生で、しかも武道館で聞けるなんて、自分がここに「存在する」ことに感謝したい気分…。

 2人の歌いっぷりとその表現力は、初めて曲を聞いた人たちにも十分に伝わったはず。出演者の年齢が高いこともあって、客席もご年配の方々がほとんど。最初は「ザ・茶番」ってバンド名に笑っていたけれど、『イッテコイノチャラ』では座ったままだけど手拍子をしてリズムをとりながら踊っているおばさまもいたし、『ビンテージ』の熱唱にもしっかり聞き入ってたようだし。さすがに広いステージの上ではメンバー同士の絡み具合がライブ会場のそれとは違ったけれど、さすがは武道館、音はいいしやっぱりザ・茶番はウマイよ!全然緊張しているようには見えなくて、ちょっと残念(笑)さすがです。みんなの演奏力・表現力そして歌詞の持つメッセージは、初めてザ・茶番を知った人たちにも伝わったことでしょう。そして、やっぱりヒロミさん。主婦層にも相当顔が売れているし、客席の人たちにとても好意的に受け入れられていたような気がします。いつからそんなキャラになってたんだろう…。

オミ「ありがとうございました!いやぁ〜気持ちいいですね〜!楽しんでいただけたでしょうか?」
ヒロミ「ほんとにいい思い出ができました!自分が今終わってしまって、この脱力感というかですね、いままでテレビでなったことないような、あるある大辞典何十本とってもこういう風にはならないようなね…ほんとにこういう機会を与えていただいて…」
オミ「ユネスコ50周年、おめでとうございます!」
ヒロミ「……アフガン助ける前にね、君達を助けないとね!(笑)」

 秋を過ぎた頃から、ヒロミさんとの活動をあまり見聞きしていなかったので、どういう方向性を取るのかな?と思っていたけれど、こんな形で活動を続けられたらいいなって思う。もちろん「ザ・茶番」としての活躍を期待しているけれど、「THEヒロミと茶番」も私は大好き。たまにはこんな風に集まって活動して欲しいなぁ。ヒロミさんは自分のName Valueを押し付けることなく、ザ・茶番をバックアップしてくれるので、とても好感が持てます。ヒロミさんは「思い出作り」を連発していたけれど、きっとそれは照れ隠しでしょう?今日の武道館での演奏は単なる「思い出作り」じゃなくて、それ以上の意味があったと思います。

 ここには書ききれないけれど、ライブ前後にいろんな事件があって(一部「余談」に掲載)、振り返ってみれば楽しかったと言うよりは「面白かった」1日でした。メンバーよりも私たちのほうが緊張して興奮してたかもしれない。私たち以外に立ち上がって見ている人がいたかどうかも、覚えてない。あんなに広い会場で4人だけ立ってるって、この先経験できないコトかもね。終わってみたら「えっと、今何が起きてたんだろう?」って思うくらい脱力感に襲われた。ヒロミさんの気持ちが分かるってモンです。

 メンバーはこの後水戸へ向うために、武道館を去って行きました。

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(余談)

 開場までの数時間、私ともう1人(Kさん)は、武道館の目の前の食堂で時間をつぶしておりました。かなり混んでたけれど、他に行くところもないので、すみっこに座って昨日のライブの話などで盛り上がっていたところ、「すいません、相席してもいいですか?」とちょっと年配の男性と若い男性が声をかけてきた。「どうぞ」と言って席をつめ、私とKさんは会話を続けたのでした。

 「昨日、SHOGUNの前に演奏するって言ってたよね?」と私が言った時に、その男性がピクッと反応したのを私たちは見逃さなかった!よく見たら、首からスタッフ用の入所許可書がぶらさがっている。

…誰?

 茶番の話を少ししたあとで、なんだか同じテーブルにいるのに無視しているのもヘンだったので「スタッフの方ですか?」と聞くと、「あ、出演者です」と2人…。「あら、そうなんですか〜スイマセン」

…誰!?

 「誰を見に来たんですか?」と逆に聞かれ、2人で元気よく「茶番ですっ!」と言うと「あ〜、茶番ねぇ。ヒロミのね。」「すっごい緊張してたよ、周りの人が腕組みして取り囲んで聞いてたからさ。」…へぇ〜、茶番が緊張するんだぁ、見たいっ!(笑)

 私たちはその人が誰かを尋ねるコトも忘れ「茶番の歌聞いたことあります?」とか「一度じっくりきいてくださいねっ」などと茶番の話ばかりしていた(笑)「うまいよね、彼ら。あと、歌詞がいいんだって?CDも売れてるみたいじゃない?へぇ、7年もやってるんだ、すごいね。」とやさしくかえしてくださった。う〜ん、とてもいい人だ(笑)。

 しばらくいろんな話で盛り上がった後、Kさんが「失礼ですけど、どなたですか?」とその年配の方の男性に尋ねた。なんとその方はSHOGUNの芳野藤丸氏だったのです…。

( ̄▽ ̄;)

 若い方の男性も新しく入ったメンバーとは言え、ボーカルだった…。リアルタイムではほとんど知らないけれど、でも「俺達は天使だ!」は小さい頃見てた記憶があるし…。主題歌も好きだったのにっ(「探偵物語」は見てなかったので、キムタクで知ったくちです)。なんて失礼なヤツ…。馴れ馴れしくも話しかけ、挙句の果てに茶番の宣伝までしてしまいました…(恥)。

 だってこんなムチャクチャ庶民的な食堂で、そんな人に会うと思わなかったんだもんっ!!

 「あ、えっと、今日は何曲演奏されるんですか?」と話題を変えると(苦笑)、「2曲ね、みんなそうだよ」「あ、そうなんですか?」「最初は持ち時間15分だったから3曲演奏できたんだけど、あ、そうそう、茶番が入ったから2曲になったの!」と笑いながら教えてくれました。どうも本当らしい…。すごいよ茶番!大御所の持ち時間を減らしてまで参加してるんだよっ!やることが違うねっ(笑)

 芳野藤丸氏ももう1人のお兄さんも(スイマセン、名前が分かりません…)、ステージに立ったら本当に別人のようでした!思わず発した「さっきと全然違うね〜!かっこいい〜!」という声も、しっかり残っています(笑)さすがです。プロの貫禄を感じました。
 
 
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