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高草山山頂 |
人の親切が身に染みた山。
静岡山旅4日間の初日。2座目は焼津市日本坂PA近くにある高草山。山頂まで車で上がることも可能だという。夜景でも名が知られているようだ。
焼津ICを出てからはカーナビ頼りに坂本集落からの道を上がって行く。道幅が狭く、対向車が気にかかる。すれちがい可能な場所を頭に入れながらの運転も面倒。大きくカーブする地点、何台か駐車できるほどのスペースがある。行く手に見えるのが山頂らしい。高草山への道標もある。出会ったハイカーに尋ねると、山頂まで30分か1時間ほどという。車を置いて歩くこととする。
春の陽が降りそそぐ南斜面の道、明瞭でわかりやすい。右手に河津桜らしい花の咲く笛吹段公園を見下ろしながら快調に脚を運ぶ。何回か車道を横切る。その都度集落の『坂本』を示す道標が立っている。帰りはこの「坂本」を確認しながら下れば間違いはない。
思いのほか勾配はきつい。山の主のような貫録ある大木が一本、印象に残る古木だ。白妙の衣をまとった富士山も姿を見せている。満開のスイセン、なんとタンポポの花が。軽く汗ばんで山頂に到着。
小祠と『高草山 海抜502.9m』の標柱。保守工事中のものも含めて電波中継塔が3本?ほど。さて三角点は・・・居合わせた人に尋ねるも三角点には関心がないと見えて「ええ?」という顔。この奥にの高みにも電波塔が見える。足を運んでみるとそこに「高草山平和観世音菩薩」の像となど、神域の雰囲気のあるピーク。二等三角点も確認できた。
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二等三角点 |
三角点のある小ピーク |
さて下山に大チョンボ発生。
『坂本』の道標を確認して下れば、マイカー駐車地点に戻れるはずだった。スイセンなどの花の写真を撮ったり、太平洋を眺めたりしながら、気持よく足を運ぶ。
車道を横切るときは必ず『坂本』を確認して下ったのに、なかなか駐車場所に着かない。こんなところを歩いたっけ?記憶がないさぞ。間違えたかな・・・しかし道標は確実に確認してきた。下から上がってくる60才前後のおじさんに出合う。事情を話すと坂本からは3本ほどコースがある。どこかで違うコースへ入ったのでしょうとのこと。さあ大変。「登った時に見えたもので記憶に残っているものは・・・」など様々な質問に答える。だいたい見当がつきました。その男性のあとをついてかなり登り返す。車道へ出たところでほぼ水平の車道を行く。登りのとき目にした笛吹段公園がある。「このコースだと思います、一緒に下りましょう」。そう言って私と一緒に下ってくれた。間違いなく車が待っていた。
それにしても親切な方だった。ほかの人だったら見当をつけられなかっただろう。この高草山に精通しているらしい方に出会った幸運に感謝。何とかお礼を、せめて住所氏名だけでもと頼んだが『気にしないで』と言い残して、男性は背中を見せて登って行ってしまった。
私が同様の立場だったら、そこまで親切に出来るだろうか?多分無理。受けた好意は永く忘れることはないだろう。ただただ有難かった。
失敗したことへの後悔と、身に染みる親切をかみしめながら次の高天神山へと向かった。
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